スズメバチをもっと知る
体の特徴
スズメバチの大きさは種類によって異なりますが、多くが20㎜~35㎜程度です。小型のクロスズメバチで10㎜程度、大型のオオスズメバチでは45㎜ほどにもなります。ほとんどのスズメバチが黄色と黒のしま模様ですが、黒い体の種類も存在します。
スズメバチの餌
スズメバチの幼虫はアシナガバチと同様に肉食です。スズメバチの成虫はウエスト部がくびれた体型のため、砕いた昆虫をそのまま食べることができません。そこで、成虫は昆虫を細かく砕き、唾液と混ぜてつくった肉団子を幼虫に与えます。その代わりに、幼虫の体から出る分泌液を成虫がエサとするのです。そのほかには、樹液や花の蜜も食べています。
また、ヒメスズメバチやオオスズメバチなど、他の種類の蜂の巣を襲う種類もあります。
生態
スズメバチは集団の中に女王蜂・働き蜂・雄蜂(おばち)という階層をもち、分業して社会生活を営む「社会性昆虫」と呼ばれる生き物です。雄蜂は繁殖のためだけに存在しており、毒針をもっていません。女王蜂がいなくなると、いままで女王蜂のフェロモンによって抑制されていた働き蜂がいっせいに産卵します。しかし、働き蜂は交尾をしないため誕生するのは無精卵から生まれる雄蜂のみです。
雄蜂は働き蜂のような巣の維持が出来ないので、巣は終わりを迎えます。
巣の形状
スズメバチは、マーブル模様・波模様が特徴的で、初期はとっくりを逆さにしたような形で、大きくなるにつれボールのような球体の巣を作ります。巣の大きさは最初は5cm程度ですが、次第に大きくなり完成時には直径約60cm以上になることも珍しくありません。外側はかなり頑丈に固められている状態ですが、下に向かって巣盤が追加されていくにつれてもろくなるので、アシナガバチの巣の強度には劣ります。
巣をつくる場所
スズメバチの種類によって巣をつくる場所が異なりますが、オオスズメバチなど土の中や木の穴などの狭くて人目のつきにくい場所を好んで巣を作る種類もいれば、キイロスズメバチのように人間の生活圏のさまざまな場所に巣を作ることがある種類もいます。雨風がしのげ、敵から見つけられにくい場所を好む傾向があるので、家の屋根裏や壁の隙間など建物内部の思いがけない場所に巣が作られている可能性もあるので注意が必要です。
普段よく見る種類
キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、オオスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、クロスズメバチなどが普段の生活でよく目にします。特にキイロスズメバチとコガタスズメバチは、市街地に数多く生息しています。その他最近では、インドネシア原産のツマアカスズメバチという特定外来生物の蜂が対馬市に定着し、九州地方を中心に生息数を増やしています。2019年には本州への侵入が確認されているため注意が必要です。
~ 蜂に刺されてしまった場合 ~
スズメバチはアシナガバチに比べ、攻撃性が高めです。また、警戒範囲といって、近づいてきた敵に対してスズメバチが威嚇行動を示す範囲があり、スズメバチの種類や巣のある場所によって、数メートル~10メートルと範囲も広めです。時期によっては積極的に威嚇してくるので、できるだけ巣には近づかないようにしましょう。